みんなに感想書かせて自分だけ書かないのはなぁ〜と思いつつ、とはいえ読書感想文なるものはかなーーーーーーり苦手だしなぁ〜となりつつ。
ちょうど読み終わった本が面白かったのでその紹介をします。
『自由研究には向かない殺人』
「こんなのフェアじゃない。」
ピップの漏らす言葉が胸に突き刺さる。
こんなのフェアじゃない。世の中はフェアじゃない。
それを「当たり前」だと思い、「そういうもの」だと諦めるようになった私にとって、ピップの悲痛な思いはどこか心苦しいものだった。
高校生のピップは、EPQ(高校の卒業研究のようなもの、という理解でたぶん大丈夫)の題材に「5年前の少女失踪事件」を取り上げる。ピップの住む町で発生した事件で、犯人は失踪した少女の恋人・サリルとされており、サリルが少女を殺したのち自殺した、として幕を閉じた事件だ。
しかし優しいサリルを知るピップはその顛末に納得がいかない。
サリルの弟であるラヴィと共に、ピップは「犯罪報道におけるメディアのあり方」という研究テーマを隠れ蓑にして、5年前の事件の真相を探り始めるが……?
とまぁ、こんなところから始まる物語。
タイトルからは少しおどろおどろしさを感じるけれど、全体を通してどこか爽やかさを感じさせる読み心地&翻訳もとても魅力的なので飽きずに読めるのではないかなと思います。
本筋は「5年前の事件の真相を突き止める」=「サリルの無罪を晴らす」こと。
そのために関係者にインタビューを行ったり、関係者のSNSを調査したり時には尾行や不法侵入もしたりする中で、ピップの住む町やそこに住む人々の多面性が明らかになってゆきます。
人間、誰しも1つの顔だけを持ってるわけじゃないよね。というのは当たり前のことではありますが、あっちとこっちで言ってることややってることが違ったり、印象や語り口が違ったり、もちろん本筋に必要な情報だけを簡単に手に入れられれば苦労しませんが現実はそんなに甘くはなく。
そんな多種多様な有象無象の中から、ピップは「真実」を見つけ出さねばなりません。それも、「きちんと周りを納得させられるように」。
加えて。
小さな町で起きた事件。思いがけない人たちが――ピップもよく知る人たちが、捜査線上に浮上することだってある。ピップの動きをよく思わない人だっている。
そんな中で、一介の高校生でしかないピップはどこまで足掻けるのか。どこまで己を貫けるのか。
ピップのEPQの結末や、如何に――?
ねえ聞いて。ここまで書いて疲れた。
ピップ目線で描かれる物語なので、どうしても今の彼女では把握しきれないこともあります。つまり回収されないフラグがあるということで。
実際、"現実"ってそうなんだよね。自分の与り知らないことは、どうしたって知りようがないし。冒頭でも言ったけど、"現実"って全然フェアじゃないし。
そういう"現実"に、ピップはどう向き合うのか、折り合いをつけるのか。
それも本作の読みどころなのかなと感じました。
ちなみに私は、とある描写に「は?許せん」となり、とある描写に「なんか解せねェ~~~~~~~!!!!!!となったのですが、トータルではめちゃおもしろだったのでご興味ありましたらお手隙の際にでもどうぞ。
私は続編をそっこーでポチりました。
ではまた。
p.s.
この記事、行間とか改行とか、体裁の部分かめちゃくちゃ気に入らない。読みにくい。良くない。
アプリから上手く書けなくない? みんなどうやって書いてるの?